少年

名前は特になく「少年」です。悪い子供ではないけれども、少しひねくれたような雰囲気のある感じを出そうとしました。優しくて頼り甲斐のあるDINOがいることで、なんでもやってもらうことに慣れてしまっている。

DINO

「ワニ」のDINOだけ名前がついていますが本名なのか、少年が呼ぶ呼び名なのか。
どこで少年と知り合ったかはわからないけれども、少年を助けながら一緒に旅をしている。

バク

実際のバクとは模様も体型も異なりますが、バクです。作中では悪役の立場だけど、ひたすら王冠が手に入れば良いという、ある意味で真っ直ぐなキャラクター。その背景は多分何かあるのですが、あまり深く考えずに見てもらえれば。

物語の意味と意図
DINOが「ワニ」なのは、身体が帆船なのは、少年が暑そうなのに赤いコートを着ているのは、この作品を作る最初のきっかけが「ピーターパンに登場するワニとフック船長が最初は親友だったとしたら、何がきっかけでその関係が破綻したのだろうか?」だったからです。ピーターパンのいない世界で、優しくて常に支えてくれるワニを少年時代のフック船長が無意識に消費しまった結果、どこかで2人の関係が壊れてフック船長の腕が失われたのだとしたら?その兆しを描くというのがテーマでした。それを全く別のキャラクターのDINOと少年の物語に置き換えました。

でも特に説明のない作品です。もしかしたらこの後に彼らは旅を続けながら、ピーターパンの物語とは違い、良い関係になっていくかもしれません。

そして、この作品は「子供向け」ですが、親と見ることを考えて制作しています。

古代遺跡を巡る冒険物語は80年代に「インディ・ジョーンズ」を筆頭に流行りました。当時興奮しながら劇場で見ていた子供たちは大人になり、今では親になっている人も多いと思います。だから子供の頃に見た雰囲気を懐かしみながら、子供たちと感想を述べ合うような、そんな事が起きてくれたら非常に嬉しいので、懐古的とも言えるようなこの形を取りました。
ですからネタバレを回避するようなサプライズはなく、ただ宝を探し、敵役との攻防があり、最後は?という物語です。
滝があれば落ちるし、敵役はなぜかメインキャラクターを倒す機会があるのにそれをしないで連れて行く。遺跡は“超自然的な力”で壊れる。そういう約束事で出来ています。
しかし人はすぐに成長しない。だからピンチを乗り越えたら一度の反省も勇気も忘れてまた元に戻ってしまう事もある。そのために最後に2人とも無事に助かったにもかかわらず、最後にDINOが少年に対してちょっとイライラすることの意味を考えてもらえると嬉しいと思います。そこは教育的な事なので、わずかに約束事から外れているかもしれません。